寿 ・津山−大原−後山−大原−林野駅前  神姫バス

 

平成21年9月19日乗車


 

神姫バスが運行している岡山県内の一般路線が平成20年9月30日を持って廃止と

なる。かつては林野に湯郷営業所と大原町に大原営業所を構え、岡山県北東部の路

線を運行し、地元の大切な足として活躍したが、乗客の減少に歯止めが掛からず、岡

山県内より撤退となった。ただ、津山を起点とする中国道の高速バスは安定しており、

引き続き運行される。撤退後の路線であるが、路線付近に所在地を置くバス会社が共

同で運行する「美作共同バス」が引き継いで担当するので、地元の大切な足は確保さ

れることになっている。神姫バスが運行する路線としてはこれが最後となるので、お別

れ乗車をしてきた。その時の様子をご覧いただきたい。

政府の粋な計らい?で秋の長期連休が実現し、奇跡的に土曜が休日になったので、乗車が実現した。今回は小学1年生の長男がお供。岡山よりJR津山線で津山に向かった。

今回乗車したのは津山広域バスセンター10時30分発の大原行。作東バレンタインホテル経由の長距離路線である。

やってきたのは平成6年式U−MP218Mで社番4069。

最近転属してきた車両であるが、はや終焉を迎えることに・・・・。

入り口である後ろ扉にある方向幕。

広告が兵庫県のもののまま・・・・。

車内の様子。

我々だけで貸切かと思えば、この後御婦人が1名乗車。

お別れ乗車をする同業者が何名かいるだろうと思っていただけに少々拍子抜け・・・・・。


最近のバスには結構椅子にも押しボタンが付いているものが増えたが、神姫バスはこの年式でもこの場所に押しボタンが付いている。旧タイプの押しボタンにしばし感動。やはり広告は前のまま・・・・。
津山駅前を出たバスは53号線を走行。 4車線あり、スイスイ走行。そんな中、途中のバス停からもちょこちょこ乗車があり、思ったより利用客がいて少しばかり驚いた。
単調な田園風景をひた走る。途中の大きな町である林野・湯郷温泉あたりでオキャクさんが入れ替わり、我々だけの貸切状態になることはなかった。

確か吉野川だったか、少し前の豪雨でこのあたりも被害が出ており、その傷跡が見られた・・・・・。

経由地にあげられている作東バレンタインホテル。

美作共同バスはここを経由しなくなる。ただ、バスでこのホテルに行くお客はほとんどいないものと思われる。

智頭急行の高架が見えるとそこはもう大原町。かつてはNHKのドラマ「宮本武蔵」で脚光を浴び、観光ブームが来たが、御他聞に漏れず、ドラマ終了と共にブームが去ってしまった・・・・。
終点間際の運賃表示器。

整理券番号の多さからも、この路線がいかに長いかと言う事がうかがい知れる。

バスは定時で12時前にに到着。

通しで乗車したのは我々のみ。運転していたドライバーさんは感じの良い方であった。

車庫にはいすゞ+西工のワンステップのみ駐車していた。この車両が導入されたのは衝撃的で、当時わざわざ大原町まで撮影に出向いた。今では淡路交通などからの移籍車でいすゞはいるが、当時はこの車両が唯一のいすゞ車であった。
ここでしばし小休止。車庫の前にあるスーパーで昼食を購入し、腹ごしらえ。

この後画像のバスは大原中学校へ回送されて行った。

次ぎに乗車する後山行きは大原が始発ではなく、大原中学校が始発となるため、向こうからやってくる。先程乗車した車両でドライバーさんも同じ。

車内にはすでに中学生が7名乗車。先程大原行きに乗車していた老主人もここから乗車した。通学バスとしても大切な足である様子が伺える。

後山へ向けて国道を左折すると、建設途中の鳥取自動車道が目に入ってきた。これが完成すると、大原町への車での行き来が大変便利になる。
この路線ものどかな田園風景が続くが、先程とは違うのは平坦な道路ではなく、ずっと緩やかに登っていくところであろう。すでに稲刈りが終わっている田んぼが多数あり、県南地区と気候が違う事を実感。
終点間近の運賃表示器。

美作共同バス運行時には値下げが行われる。

終点の後山バス停。

バス停にも終点と書かれている。

兵庫県との県境もほど近い場所である。

終点付近は道路が広い。ここでUターンするのかと思えば、少し奥まで進みそこで待機していた。
折り返し、僅か1分なので、反対側の起点バス停で待機。
バス停には残念なお知らせが掲げられていた。
待機中の神姫バス。

手前は明石観光の車庫。時間がなく、未撮影のクィーンKは泣く泣く諦めることに・・・・。

帰りの大原行きは我々のみの乗車で貸切状態。

一番前に陣どり、車窓を楽しんだ。

画像は方向幕のコマ数。リーフサスなので結構揺れ、こういった写真はすぐにブレ撮り難い・・・・。

定時に大原着。

実はこの日、バスの日の特典で子供は運賃タダ!。小学生の息子はどこまで乗っても無料だった。終焉間近のこのような末端区間までアナウンスが徹底されているとは思わなかったので正直ビックリ。神姫バスは岡山県内の路線バス事業者としてしっかり根付いていたことに、喜びを感じると共に、やはり撤退は寂しいものだと実感。

更に次の津山行きに乗車、と言っても1分の乗り次で4度目の同じ車両へ乗車。一旦運賃を支払い、再度後ろから乗車。このまま直通で行ってもおかしくは無いが、系統をわざわざ分けている。
帰りの津山行きにも地元民や高校生の乗車があり、意外であった。高校生が騒いでいたのを、ちゃんと注意したドライバー氏には更に好感が持てた。

途中、美作市のスクールバスとスライド。この便を委託すればいいのにとしばし思う。

作東バレンタインホテル付近で神姫バスとスライド。便数が少なくてもこれだけの距離だと1台では回らないと言う証し・・・・。
JR姫新線・美作江見駅前を通過中ふと駅の方へ目をやると神姫バスが待機中。水害による代行バスであった。美作江見と佐用との間が酷い被害に見舞われ、未だ復旧できずにいる。
きれいに整備された湯郷温泉界隈を走行。
路線の途中であるが、林野駅前で下車。

ここは宇野自動車の車庫にもなっており、豊沢交通の起点でもある、実は都合3社乗り入れているバスターミナルでもある。

バスは津山へ向けて走り去って行った。

10月以降はこの道路でオレンジ色の路線バスを見ることは2度となくなる。

 

長い間、岡山県北東部の路線を担っていた神姫バスが、ついに終焉を迎える。いうな

らば典型的な過疎路線であり、逆によくここまで路線を維持できていたなと思う。いろん

な諸事情からの撤退であるが、幸い代替措置として、路線地域バス会社の共同出資に

よる「美作共同バス」が設立された。路線は途中の勝間田で分断されるものの、勝間田

−大原−後山の路線を担当する。また、残りの津山−勝間田間も中鉄北部バスが路線

を開設することとなり、なんとか路線が維持されることとなった。劇的に利用者が増える

ことは無いであろうが、消えることなくこのまま末永く路線が維持される事を祈りたい。


 

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